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対暴れ、置き技の考察

いわゆる「遅らせ打撃」は2D格ゲーでは高等技術で、かなり上位同士の戦いでないと見かけないテクニックだが、鉄拳では石段クラスから普通に見る

すなわち、様子見を入れて、何もしないから攻撃しようと思ったところ相手の打撃が飛んで来て食らうというもの

これがどうして鉄拳ではほぼ始めたばかりのプレイヤー同士の戦いでも起こるのかを考えてみた

私の結論としては、それは遅らせでも高等でも何でもなく「鉄拳ではバックジャンプが実質ディフェンスには使えないから」ではないかと言うもの

2Dで遅らせ打撃が高等になる理由を考えて見ると、仮に起き上がりに昇竜やサマーを出さなかった場合、相手に出さない場合も見越されて距離を相手有利に調節されてることが多い。だからバックジャンプで逃げてそれで全て解決してしまう。不利な距離はバックジャンプで間合いを離す。これが2Dでは鉄板の動きで、特にKOFでは逃げ大ジャンが最も有効な起き攻められのディフェンス術として攻略本のシステム解析ページに記されているほど顕著だ

一方鉄拳にそんなリスクのない後方ジャンプはない。インファイトを楽しんでほしいというメーカーのコンセプトに沿ったものと言っていい。

このことを抑えて状況ごとに起き、暴れを最速でないタイミングで食らうケースを見ていくと、例えばよくあるのが

生ロー→バクステでスカ取る状況を作ったが相手が何もしてなかった、だから触りに行ったらそこでジャンステや発生12の中段が飛んで来た

というケース。何でだよ!?何でそのタイミング?と思わず口に出してしまったこともあるが、これは自分がそれをされた時のことを考えれば答えがわかった

もし自分がリリでミゲルに生ローされてバクステされた。ここでいま自分はミゲルの生ローを食らった確認が遅れたので不利を生かして相手を触りに行けなかった、つまり生ローを食らった、とただ見逃した、すると相手がバクステをした。ここ。この時、密着ではないから発生の早いジャブやショートアッパーでこちらの中段は潰されにくい、しかし相手がジャンステやしゃがステで触って来て展開作られそう、つまり触られて2択を食らうことを想起する距離になっている。平たく言って不利な距離なのだ。だから触られる前にトライアングルスプレッドやライトゥーを出そうという気になる。

こういうシチュエーションは2Dにもよくあるが、2Dは何しろここはバックジャンプで全く問題にならない状況なのだ。それを捨てて打撃を選択するということは相手の行動をかなり一点読みしてリスクを負うという、かなり、裏をついた行動になる。

しかし鉄拳はバックジャンプの方が危険な手なので、打撃を出すか出さないかしかなくなっている。上級者になるとここに山ステがかなり有効な手として加わるので、不安な距離で打撃(これが一見遅らせ打撃に見えたものの正体だが)むしろ低段でこそよく見る現象ということになる。

まとめると、バクステ様子見は通らなかった、相手が不利な距離になったことに気付いた、この距離は相手を焦らす距離としてキープ、が正しいのではないか、である

生ローバクステは一例だが、他にもこうしたシチュエーションがありそうだ

次の例として、起き上がりキックを警戒して間合いの外に居たらその場起きしたので触りに行ったらライトゥーというケース

これもかなりある

これもこのライトゥーが遅らせ打撃のように出る理由は同じである

2Dでもおそらくバックジャンプが使えないルールだったら様子見から触りにくる相手には昇竜拳ということになるだろうと思う

もし起き上がり攻撃スカを様子見して相手がその場起きをしたのなら、やはりその距離は調整してキープである

ここで相手が確反のある発生の速い中段での暴れでなくこっちの様子見を見越して歩いて触りに来たら、そこで初めて先に2択を考えるというステップになるんだと思う

そう言えば2Dでも似た状況がある。それは画面端である。この状況は相手にバックジャンプが無いから暴れが多くなる。だから攻め手は距離を取りつつ様子見を増やす、という駆け引きになる。鉄拳の場合は中央でもそんな駆け引きと思えば良い。

長くなったので簡単にまとめると、バックジャンプがないからスカ確距離を取ると相手は打撃で前に出るしかない。特に山ステがない相手ほどスカ確距離を作ると前に出る。この仮説をして

山ステない→距離取る→相手何も出してない→相手が不利な距離を認識したタイミングを推測→焦らしタイム

という空間の使い方になる

山ステないのに距離作っても後ろに下がり続ける人は、経験上ショートアッパー投げ連発で沈む気がするのでむしろ困らない

ここまでと少し違う駆け引きを想定する必要があるケースが、ステガ→ステガ→相手何もしてない→触りにいく→暴れ食らう、このケースである

黙ってるから触りに行ったらその時だけジャスト食らったということで、また「何でだ!?エスパーか?演技力か?」という感じで煮えてしまうが、これまでは「怖がって相手の置き技の距離よりも遠すぎるところでステガしてるから相手が技を出さない」という仮説を立てて、「相手の置き技のリーチを完全に把握出来るまで精度の高いステガは出来ない」と思っていた

しかしそれは間違っているのではないか

上級者でもあまり経験のないキャラにはステガは出来ないのか

ギースが出たらしばらくステガ成功しにくいのか

ここでも自分がされる側になって考えてみる

なぜライトゥーをパナすのか

それは相手に触られたくないからという恐怖心がある

と言うことは、ステガで大事なことは相手のリーチの境界でそれを敢行するというよりは、こちらの触り技のリーチでそれをやると言うことではないか。つまり触るか引くかの2択をかけているからステガは成立する

と言うことは相手のリーチはこの際考えず、こちらがもし触るなら何で触るかという想定を持ってステガはかけるのが正しいのではないか。仮にそれで触られたとしても、その想定で出した技なら確反が決まる。

ここも2Dとは少し異なる駆け引きといっていい。2Dでは中間距離で地上牽制の駆け引きに意識を割いていると相手の前跳びに対応出来ず対空出来ないことがあるからだ。しかし鉄拳なら対空の意識も地上の三すくみに全て割ける。割かなければいけない。

結論から言って、鉄拳を2Dの地上戦のみと考えていると暴れや置きに弱くなるのかもしれない

ジャンプが(実質)ないということがどれだけ地上の駆け引きの文化を異質なものに変えるかをもっと考えるべきだったと思う

そもそも自分は2Dではどのタイトルでも空中戦を制して陣地を稼ぐタイプのプレイスタイルだったから、余計にその傾向はあった気がする

バックジャンプが無いから前に出るしか無い、前跳びが無いから地上戦の差し込みするかしないかの2択をかけられる、この2つが念頭にあればかなり動きが鉄拳として洗練されてくる気がする

という机上の空論でした

実践してまた結果メモります

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