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やーすの回顧録 あの頃格ゲーは燃えていた②

春麗の投げハメで屍の山を築いていた私はすっかり自信を持ってしまった

オレ格ゲー強いんだ。

しかし真似されればすぐ追いつかれる単純な方法かつ、それが「ずるい」戦法であることも知っていた。

しかし他の友達はまだ「投げハメ」という概念を知らない。しかも安易に真似しようともしない。

これで仲間内で最強プレイヤーとして君臨していった。

この頃、スト2は誰かの家に集まる理由になっていた。

スト2を持ってるからあいつの家に行く。スト2を借りてるからみんなを呼ぶ。

幸い私には人気のスト2を何故か長期に貸してくれる友達がいた。

そいつはいつしかスト2はもう卒業して違うゲームをやっていた。

しかし私はどこまでもスト2。人を呼んで延々投げハメしたり、人を呼ばないで暑い夏の日、1時間かけて登下校していた学校から八甲田山のような道のりを超えて家にたどりつき、クーラーは設定16度、部屋に閉じこもって、習い事の習字は具合が悪いといってサボって、アイスにトランクス一丁、そして指の皮を何度もはがしながら難易度最高のスト2でベガにガイルで挑んだ

スト2を通じていつの間にかグループが出来ていた。私がガキ大将。

友達に自作の会員証を作って渡していた。

これも父親がかなり凝った装丁でメンバー1人1人がファイナルファンタジー4のステータス画面のキャラ画像をトリミングして作ってくれ、それを渡していたのだ。なかなか喜ばれていた記憶がある。

しかし集まってやることはスト2だった。このころ、父の車でみなゲーセンに連れていってもらった。そこでスーファミとは格段に綺麗なグラフィックのアーケードスト2(ダッシュ)を知る。

ベガが使える。サガットが使える。それは予測できる展開だったからそう驚きはしないものの、それにしてもあの寝仏のステージでしか見ることができなかった巨大なサガットのタイガーアッパーカットの背中を、ブランカのステージで見られるということのドキドキは家で味わえない特別感のように思えた。

でも昇龍コマンドなんかアーケードでは出せない。その頃、ようやくスーファミのパッドで昇龍拳が出せるようになったばかりだった。6から2を通って6に戻すようなメチャクチャな入力でも出る。63236というような入力。ところがアーケードはそれでは流石に出ない。

100円でいかにワンコインクリアを目指すかが我々子どもの課題だった。父が買ってきていた攻略本を読み込んでいた。最もワンコインクリアに近いのはベガだという。難しそうな連続技は省略。いかに単純な方法に落とし込んでクリアするかが課題だった。

するとベガの攻略が最も単純なように書いてある。

サイコクラッシャーで往復。ガードされたら投げ。ザンギエフなどはボタンひとつで勝てると書いてある。

間合いを取って立大Kの先端を当てるだけ。これだ。こいつしかいない。

ところが実際にやってみると確かにザンギエフは立大キックだけで勝てるし、ダルシムはスライディング連発で勝てるのだが、リュウとケンとガイルに勝てない。サイコクラッシャーは飛び道具に負けてしまう。

そうなのだ。この攻略はもうひとつ、ダブルニープレスを使えと書いてあるのだ。ところが、当時の私はダブルニープレスを出せない。ダブルニープレスは溜め時間が長いのだ。そんなに長いと出しどころもよくわからない。

ちなみに攻略本に書いてあることはダブルニー>中足>立中キック>ダブルニーでハメろと書いてある。これは非常に合理的な攻略なのだ。ダブルニーを出した時点から溜め始め、中足、立中キックと出したところでようやく次のダブルニーの溜めが完成して永久機関となる。

わかってしまえば単純だけど、その溜めの感覚が分からないからそれは諦めていた。3人倒して車を壊すステージにいけるかどうかが目標だった。しばらくして自分だけでゲーセンで行くようになったころ、CPUに勝てない私に乱入してくる人がいた。だいたいケン。大学生くらいの人もいれば同じ小学生のやつもいた。

意外と往復ベガで勝てたりする。人の方がまだコマンド精度が悪く、ちょっとミスったらサイコクラッシャー投げを食らってしまう。「それずるくない?」台のむこうから回ってくる人がいてドキドキした。次の乱入ではそのドキドキのせいか、今度は相手のコマンド精度がかみ合ったのか、2回は勝てなかった。

続く

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