オンラインの利点。実力が互角(であるはずの)相手との対戦がすぐに始められるところ。
オンラインの欠点。"昨日負けた人"との対戦がしづらいところ。
オンラインでは「なぜか連敗する相手」と遭遇する機会が多い。段位は同じはずなのに、実力は似通っているはずなのに、コンボも練習したのに、確定反撃の存在も、三すくみというものの存在も知っているのに。でもなぜか勝てない。イライラする。負けが込んでくるとだんだんわけがわからなくなってくるかもしれない。自分は何のためにコインを投入し続けているのだろう…
そんなとき、注目するべきは「相手"キャラのどの技"を食らっているか」ではない。細かい有利不利やら-10か-13かやら横移動での避け方向やら、いわゆるキャラクター固有の特徴を知識とするのは、ノアールキャビネットの無い場所でもできる。つーかゲームしてる間じゃ間に合わないし、情報もないし、瞬間で得たピンポイント知識はダメージソースにそれほど寄与しない。明日会えないかもしれない"人"が今目の前にいるとき、まずすべきはその"人"固有の特徴を見抜くこと。こちらのほうがダメージソースに繋がる。特に、羅段以下の野良試合においては。
真に勝利に直結するのは
ポイント①自分が"どんな距離"にいたときによくダメージを受けているか
ポイント②相手が一番使ってこない三すくみはどれか
負けたらすぐこの二点に着目すること。これが最重要。キャラ固有の知識がなくても察知できる、人の思考の動きだ。これを大まかにつかむ。オンライン対戦をしている今この瞬間にしかできないことだ。大掴み。今日からそれが君の必殺技だ。
少し具体的にしてみよう。「なぜか連敗する・勝てない相手」がいたとき、たとえばそれは"やや遠い間合い(開幕距離の2~4倍くらい)から攻め込もうとこちらが技を振ったら相手の技によく潰される"といったケース。「なぜか連敗する・勝てない相手」あるあるだと思う。こんなとき、あなたがすべきことは「近距離で二択を使ってみよう」という大づかみな答えをはじき出すことである。YOU LOSEの時間に。できたらラウンド間に。欲を言えばラウンド中に。これをできるかどうかで試合の流れはマジに変わる。
答えを出す方法は前述のポイントを出すだけ。①は【遠距離】、②は【二択】となる。相手は遠距離で『スカ確気味の置き』に徹して後出しジャンケンを続けているだけだからダメージ効率が良い。であれば、自分という人間に対する【二択】の精度は育ちきっていないはず。その機会が少ないから。つまり近距離戦の準備が足りない。自分がそれを先にやってやろう。あなたは答えに自信を持とう。こちらが【近距離】で【二択】をかけることで相手に思考という行為を迫れるはずだと。
近距離に行く方法は二種類、ダウンさせてその時間に近づくか、ステップインガードするか。自信を持って664、664、相手の技に当たらぬように664、確反のある技を出してきやがったらラッキー、反応できればおしおきを。ジャブの届く近距離まで来たら、ジャブ、細かい中下段、ヒットしたら少し大きい中下段 これらを出し続けてみよう。
相手はどうなるだろう、それをそのまま放置して受け入れるだろか?いやいや、"人"なのだからその人なりの何らかの手を打つ。10フレで暴れるか、ステータスのある技を出すか、リターンの大きい技を出すだろう。これが相手の喘ぎ。664の時点で予測できていれば、この喘ぎに対しても効率の良い手を打てるだろう。
そのうち、664に対して技を置いてくるか、こちらの二択の癖を突いてくるかなどの相手の対応が始まりあなたは負けるかもしれない。続けているとポイント①、②が切り替わっていくから当然だ。その記憶が、いわゆる人読みと呼ばれるものの正体でもある。でもほら、「大掴み」だけでふたりの思考のステップが進みましたね。
この、ステップが進む瞬間。この言外の会話が、そこでさらにその思考を上回ることが、他で得られぬ快感であるために、あなたはコインを入れたのではなかっただろうか。
細かい精度を置き去りにして、「まずは大掴みで戦え」という話でした。