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2002年に放映された仮面ライダーの名作「龍騎」を劇場版やスピンオフを含め全て見終わった

デスゲーム好きの私は、龍騎の設定を見て仮面ライダーにおけるデスゲームと解釈し「特撮ファンクラブ」というサブスクを見て視聴を始めたのだが、すこぶるハマった

龍騎自体の感想はまた別に書くとして、今回は劇場版やテレビスペシャル、2019年のスピンオフ作品を見てもなお明確には明かされなかった龍騎の謎について答えを出していきたいと思う

まず第一は

目次

神崎士郎とは何者か

これが本作で最後には語られるべき内容だったはずなのに明確には語られなかった謎である

まずこれを認めないと話にならないのが、神崎ゆいとミラーワールドとは何か、である。ミラーワールドから行こう。これは士郎かゆいのどちらかが、幼少期のストレスから作り出した、いわばあの世のようなものである。元々あったものではなく、児童の思念の強さが作り出した魔法の世界のようなもの。これがあったとしよう。ゆいの肉体は士郎と別れる直前、精神の病を極度に進行させて死んでしまうが、士郎かゆいのどちらかの思念の強さからミラーワールドの中の住人、ゆいを作り出した。

私の説では士郎が作り出した。これは漂流教室という梅図かずおの漫画で、自然でオアシスやザリガニ恐竜を作り出した世界、あるいはFF10で祈り子がティーダを作り出した世界などを思い出してもらうとわかりやすい。古い話でいくとバイオレンスジャックの美堂竜磨である。

つまり士郎は念能力者なのだ。では20歳でゆいが消えるのは何故か。これはリアルで士郎が死亡し、念だけの存在となってしまったが故にこの世にゆいを留まらせておける年の有効時間ではないか。士郎が死ぬ前にこの世に残せたエネルギーの総量はゆいが20歳になるまでしか残ってないのである。だからこそゆいはどうあがいても死ぬし、タイムリープを繰り返すことで、エネルギー総量の期間だけは生存できるのだ

13人のライダーの殺し合いは何か

これは劇場版でもやや答えのようなものが出されているが、要は「蠱毒」である。蠱毒というのは毒蛇や虫を一つの壺の中に入れておくと、最後に生き残った毒虫か蛇が最も強い毒を持つため、毒としての効能が高いものを得られるという呪術の技法である。士郎はゆいが生存する方法は実体から魂を得ることだと考えた。実際のエネルギー総量や自然で出来ていることは自覚していないのである。ゆいを実体のある人間にするためには並の人間の魂では足りず、朝倉や北岡、芝浦のような心の強さを持つものの魂の中で、特に強いものを選ぶ必要だと考えた。その結果が殺し合いなのだ。13という数字は、士郎が単に好きな数字であろう。中に、ファムのような女性や手塚のような心優しい存在がいるのは、魂の強さをどう定義するかに迷いがあったからであろう。色んなタイプを入れてそれを見極めようとした。事実、真司は終盤まで生き残ったので、士郎の定め方では魂が強い方ではあったのだろう。

終盤に現れるモンスターの群れは何か。あれはゆいの誕生日というリミットの間に戦いがスムーズに進行しない場合の時限装置であろう。実際にそれによって真司は死亡した。

恵理の病は何か

結局、病名は明かされなかったが、あれは現代医学では解明できない脳腫瘍がCTに映ったのであろう。それは恵理がダークウイングとの契約に失敗し、患った腫瘍である。蓮は士郎が本来は思念で作り出したはずのミラーワールドを神崎兄妹以外の生身の人間が任意に行き来できるための装置(変身ベルトやカード)を科学的に開発する試みを行った。思うに恵理はタイガとなった東條悟がモンスターと契約したように、ダークウイングと契約させられてライダーにさせられるところだった。それを蓮が契約途中に助けに来たことにより儀式は不完全に終わった。それが恵理の体に病を残すこととなってしまったのだ。最後、蓮はオーディンを破り命を手に入れる描写があるが、あれはゆいに渡る命であってゆいはそれを拒否したので、最後に恵理が蘇るのはその命のためではなく、士郎の念が消滅したからである。すなわち、13人のライダーのうち生き残ったものが願いを叶えるというルールは士郎がただ戦わせて目的を叶えるためだけについたウソである。

オルタナティブはなぜミラーワールドに行けるのか

これは香川がミラーワールドについて理解をし、幽霊状態の士郎の開発手法を完全に真似たことにより、可能になった。いわゆる幽霊を信じる人には幽霊が見えるというやつである。しかしゆいを殺せばミラーワールドが終わるという仮説は間違いだったのだろう。それは士郎がこの世に残した思念の総量であるため。

サバイブとは何か

士郎は魂の強さによる決着を見たかったので、戦闘能力に差があると感じた場合、あるいはこの人物は残したいと思った場合にはけして平等でないオプションを与えていた。例えば朝倉だけ契約のカードを何枚も持っている、ゾルダのエンドオブワールドは明らかに強過ぎるなど。サバイブは手塚を生き残らせるためのアイテムだったが、生き残らせようとは思っていなかった真司の手に渡った

モンスターとは何か

おそらく両親が身近にいなかったゆいは、高ストレスを抱えながら幼少期を過ごした。そんなゆいには創作の力が突出し、ミラーワールドと鏡の中のモンスターを次々と生み出してはそれを絵に収めたのだ。家族のない湖畔の写真は、ミラーワールドの風景なのだ。ドラグレッター、ダークウイングなどモンスターを多く描いたゆいを見て士郎はミラーワールドはモンスターが住む世界だと解釈した。モンスターが人を襲う設定は、魂の代替品とも言うべきライダーの候補、現実に生きる強精神者をミラーワールドに呼び寄せるための設定である。朝倉のように戦いが好きなものや北岡や蓮のようにライダーバトルに参加する願いを持つものばかりなら、この設定はいらないのだが、手塚や真司のような人物をライダーバトルに参加させるためには日常に対するミラーワールドからの働きかけが必要だった。そこでモンスターを使ったのだ。ライダーが13人揃ってもモンスターが人を襲う理由は、契約モンスターの捕食対象である。モンスターの捕食のシステムが無ければ、ライダーがゆいの20歳の誕生日の前に戦いをやめてしまう。それを許さない仕組みだが、それが他のライダーの契約モンスターだけを捕食の対象としてしまうと、ライダーが十分に力を使いこなす前に先にライダーに慣れたものが勝ってしまうことになるので、ライダーバトルのチュートリアルモードというかトレーニングモードが必要だった。それは各ライダーの受動的な対応にまかせていては、やはり士郎の思う通りにならないため、ライダーが揃ってもモンスターはライダーの周辺のみ、人を襲うのである。

リュウガとはなにか

あれは真司が創り出した念であろう。すなわち真司も念能力者なのだ。戦うしかないルールなら、素直に戦って蓮に倒されるのが1番良い、と理屈ではわかっていながら割り切れない真司が創り出したのが好戦的な真司というわけである。だから「俺を受け入れろ」と言われて受け入れてしまった。リュウガは2019年に発表されたスピンオフ「ライダータイム仮面ライダー龍騎」にも登場するが、真司はやはり乗っ取られ、後に克服した時にもリュウガに乗っ取られた振りをして蓮に切られようとした。ある意味、真司の願望なのである。

最終回はどうなった

ゆいがもう繰り返すのはやめて、というようなことを士郎に言ったため、タイムベントでもう一度ライダーになる前の世界に戻し、ミラーワールドを現実と交錯させないようにした。その世界では真司や蓮はモンスターと関わりなく生きていくのである。いわゆるセーラームーンの最終回状態である。ただそれもパラレルワールドのひとつ。その前までに散々繰り返された歴史はあるのであり、そのひとつが劇場版であり、テレビスペシャルであり、小説なのである。ん?ライダータイムはなぜおっさんに?しかも記憶が残っている?

あの世界はタツヤが念能力の力を持ち、ミラーワールドの方からタツヤに同調してきたため、作り出されたのだろう。その時、因縁のあったメンバーが呼び出されてしまった、と解釈できる。そのようないつもと違うミラーワールドへのアクセスであったため、メンバーには記憶が部分的に蘇り、おそらく寿命を全うした北岡はいない、神崎兄妹も今回は関係ないので出てこないのだ。

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