目次
勝負事で女性が弱い理由は「根性の問題」?
少し前にこんなテーマのブログが話題になりました。
結論は筆者の独自の感覚が強く、読んだ人の反感も多くみられました。ただテーマは面白いと思います。実際にはどうしてでしょうか。しばらく調べてみると、これに対するおそらく間違いなさそうな答えが次々に見つかりました。
将棋の羽生名人曰く
競技を男女がやる場合、まず明確に差があるのは筋力です。しかし筋力を伴わない競技なら、あとは勝負ごとにどんな差があるのかなんて、明確に示されてない。しかし知力精神力戦う競技なんて、世の中には結構あります。そこでの性差はどうなっているのでしょう。やはりここはマインドスポーツの国内権威、将棋に聞いてみるのがいい。
すると御大、羽生善治先生がはっきりと答えていました。
「人口だよ」
これをさらに裏付ける研究論文が海外に出ていました。これもかなり面白い。
統計学的に言っても人口の差と呼べそうです。
ではなぜ人口が少ないのか。初期段階から少ないことがそのまま現代まで来ている。
女性クリエイションに「究める」系統はないのか
ここからは参考論文などないので、私の感覚の話になりますが、おそらくそれは「スト2」「餓狼伝説」「バーチャファイター」が男の子向けにデザインされたゲームだったからではないか、と思います。つまり格ゲーの市場として女子を全くターゲットにしていなかった。そう言ってしまえば当たり前ですが、商品はマーケティングから始まって作るものですから、今の男女差は商業主義の意図したことなのです。これに関しては将棋はまた違う歴史的背景があるでしょう。
ただ、女性クリエイションに究める系統はないのかと言われれば昨今のスマホゲームでツムツムやあつもりをひたすらやっている女性たちを見ているとそうとも言い切れない。
やはりeスポーツがきちんと女性をターゲットに考えてくれれば、必ず人口は増えると思います。もっとも、この点メーカーはメーカーでホビーと男女差に必ず答えは持っていると思いますから、それはそれで聞いてみたい気もしますが。
しかし古来からある勝負脳と男女脳理論
では古来からある男女の「勝負脳格差」は一体なんなのか。あるのかないのか。女流棋士の方で、その点を考察された方がいました。
この方によれば、まず先ほどの人口の問題には触れた上で「一つのことに熱中しやすいのは男の子」ということは塾に通う子たちを見ていて思う一方、女性は別の理由で集中力を奪われやすい事情があり、月に1回とは言え、その前に来る精神負担まで合わせると、なかなか不利だという指摘をしています。
現実のプレイヤー性能
そのように究める過程ではどうも性差はあるのかもしれません。ただ格ゲーに関して最近よく耳にするのは「女性の方がスカ確が速い」と言う考証。実際に自分は女性プレイヤーと何度か戦ったことがありますが、自分の実力では残念ながらそんな力がわかるところまでいい戦い運びが出来ませんでした。ただ、そう言われるともしかするとそうかも、という気がします。直感的な画像認識が速いとか、意識の振り分けが女性は上手い、ということがあるのかもしれません。
よく言われる、男は「顔と胸しか見ていない」、でも女性は「爪も見ている、だから爪は切っておけ」というモテ理論。見ているポイントが複眼的になるのは、特に鉄拳のように画面内の情報が多いゲームで効いてくるのかもしれません。そして、もしそうだとすると非常に夢のある話だなと思います。
女性市場は格ゲーのブルーオーシャン
今回、こうした考証ブログを書いてみる気になったのは、ひとえに30年が経とうとしている格闘ゲーム業界で、また新鮮な要素を打ち出してプレイ人口を増やすにはどうしたらいいか、この一大テーマの一つとして「女性」は完全なるブルーオーシャンとして捉えていいのではないかということです。
もちろん女性が参入してくれると華が生まれるということはありますが、そこだけに注目するというより、言わば男女というのは単に筋力の差とか子供を産む、とかの他にもこれだけ思考法も視点も違う、地球の中でのエイリアン同士ですから、全く違う思考と思考がぶつかり合うということは大きな楽しみではないか、そうなら女性が入りやすいように、既存のコミュニティも大会もよりカジュアルにオシャレにいい雰囲気を作って女性市場を開拓していくということを考えていいのだと思います。(▼鉄拳7をプレイするCAG/RB/「たぬかな」選手)
特に「女性大会」は逆説的にどんどん開いた方がいいと思っています。これは現状、男社会で入りにくい世界なら、やはり女性が始めるには不利、もし女性市場をより発展させてゆくゆくは男女の別なくプレイ人口を増やしたいと思うなら、それまでは取り組みやすい環境があったほうがいい。これは将棋や囲碁よりもeスポーツは女性が喜ぶ演出や雰囲気づくりがしやすく、有利だと思っています。
ストリートファイターリーグ2018では「ネモ」選手が奥村茉実選手とチームを組んで、準優勝を果たしましたが、こうしたチーム戦で女性を入れやすくするとか、必ず入れるなどの趣向もいいのではないかと思ったりします。(▼ストリートファイターリーグ2018の「ネモオーロラ」チーム)
いずれにせよ、eスポーツをメインカルチャーに持っていくには、ぜひ女性からの支持も得られるようにして、いずれは格ゲーが国民の至宝と呼ばれる位置まで行ってほしいですね
最後に、私が鉄拳7でリリを使う瑠璃たゃんさんに負けた動画を張っておきます。1-10で負けてます(笑)性差なんてあるわけないよ、ホント!(画像押すとYoutubeへ)