こんにちは
スト2が出た時から一生格ゲーやってるおじさんです
最近またひとつ聖地と呼ばれていたゲーセンが閉店しましたんで、どうしてこんなにもゲーセンは閉店するのか、改めて調べていたら理由が2つに絞られました
①消費税の増加、さらに今後も上がる見通し
②格ゲーの衰退
①については、もはや言わずもがな。ゲーセンに108円とか投じますか?絶対100円でしょ。ワンコインの定め。ということは消費税が上がればどんどん税で売り上げが抜かれる仕組みなんです。
国は値上げができない商売に対しては消費税の対象外にするなどの対応をしてほしいです。スイスとかそうでしょう。店がリアルに政策でつぶれる事情を鑑みてほしい
②このブログで話題にするのはやはりこっち。スト2が流行ったころ、筐体を300万で買っても1日の売り上げが100万円近かったそうです。そしたら3日で初期投資取り返して、あとは一方的に儲けですよ
おいおい、そんなのおれだってゲーセン始めるがな。そうやって、ゲーセンはあの時、雨後のタケノコのように増えました。
僕の記憶では、ゲーセンの数がピークに達したのは、「リアルバウト飢狼伝説スペシャル」が出たころ、1997年あたりだったと思います。20円ゲーセンがそこかしこにできた。
既に衰退は始まっていたと思いますが、やりこむ人の投資額でまだ収支が取れた。射幸心をあおる趣味ですからね。
そのころ鉄拳は3、バーチャファイターも3の時代でした。
目次
格ゲーの衰退を感じた瞬間(とき)
スト2シリーズ→ストゼロ
いつからバブルは弾けたのか。自分がやっていたタイトルからそれを振り返りたいと思います。
まずはっきり感じ取れるのは「スト2X」→「ストゼロ」です。チェーンコンボが搭載されたタイトルですが、それ以上に超必殺技を絡めた試合展開が当たり前になったことが大きい。
前作スト2Xは超必殺技が使えないほど弱いキャラも多く「出して楽しい」レベルだったのに、ゼロからは急に実戦的になり、とっさに出せないとダメ、コンボに出せないとダメ、などと参入障壁が高くなりました。
実はゼロ以前の「ヴァンパイアハンター」が既にコンボを覚えないといけないタイトルだったんですが、それはいわゆるメインタイトルではなかったのでマニアがやってればよかった。実際僕はこのころハンターをやってません。
しかしストシリーズは格ゲーの顔でしたので、これが対空神龍拳が出せないとダメ、などと高度化した時点でもうかなりの人が卒業したのは事実です。
ここで格ゲーは100円2クレがデフォルトになったと思います。誰でもやっていた時代から好きな人がやる時代へ。
それでもまだまだ人気は衰えず、田舎のデパートでもちびっこを集めてストゼロの大会なんかやってました。
ストゼロ→ストゼロ2
さらに高度化します。チェーンコンボが廃止。
一見原点回帰のようですが、いやいや、もうこの頃には小技数発→超必殺技のコンボが出来ないとダメ、コマンドの長い技を単発技からキャンセルしなければいけないのは逆にハードルが上がりました。
ストゼロの時はまだ、小中大と順番にボタンを押せば、最後は大足につないで相手が倒れたけど、今度は単発キャンセルがデフォルト。さらにオリジナルコンボという、今でいう「幻影陣」を全キャラが持っている事態に。ただし、この頃はまだそこまで有用な手段と認識されていなかった。そのためゼロ3のイカレ具合と比較して、ゼロ2がゼロシリーズの至高と主張する声もあり、現在も時々大会が開かれています。しかし中足で飛ばせてサマーソルトで落とせばよかった時代はもはや見る影もありません。この頃から「格ゲーが趣味」と言いにくい時代になりました。
KOF94→95
同じ頃、KOFも流行っていました。もともとSNKのゲームは難しいという印象がありましたが、KOFは弱技が5、6発入ったので、展開としては頭が休め時間が多かったのです。
例えばキムカッファンの小足×5→飛燕斬、これなんかしゃがみガード方向に入れながら弱キックボタン連打→上と弱キックで出るお手軽なコンボです。
この時代ならみんなコンボを楽しめることが出来た。ところがところが95が出て、キャラが自由に3人選べるようになったと思ったら、この弱攻撃が最高では3発しか入らないようになり、タメ時間を把握して、タイミングを考えて飛燕斬を出さないといけなくなった。これでハードルが上がります。さらに悪いことに「ガードキャンセル」という仕組みが入りました。
パワーMAX時はガード硬直をキャンセルして必殺技が出るという画期的なものですが、これがまた大きくゲーマーのハードルを上げた。
格ゲーのバイブル「ゲーメスト」を見てもガーキャンジェノサイドカッターが強いとかガーキャン七拾五式・改からコンボで半分減るとか、ガーキャン雷光拳が強いとか書いてあるし、友人も、「こないだガーキャン鳳凰脚食らってさぁ」とか「ビリーのガーキャン超必殺は10割減る」とかそんな恐ろしいことをいう。そもそも超必殺技のコマンドからしてSNKのは独特で、2369とか、同時押しとか、長い上にミスった時に飛んでしまうなどリスクもある特徴があるのに、それを弱攻撃ガードから即出す?無理無理。これでまただいぶライトユーザーお断り感が出ます。
ちなみに今冷静に考えるならこれらの情報はなかなかにスパムです。実際には上に挙げたような状況が毎回発生するということはない。「理論上出来る」ということをそれほど恐れる必要はないのが格ゲーです。これは今でも格ゲーをやっている人ならわかるでしょう。しかしこの頃はその「理論上」が歴史的に珍しく幅を利かせていました。そのため、人を選ぶようになったのは事実です。
しかしKOFシリーズをあてに開店したゲーセンもかなり多かったでしょう。人口は減ってもバブルはまだまだ上り坂。
KOF97→98
私はこの「98」がバブルに終止符を打ったA級戦犯とみています。同時期の「ストゼロ3」「スト3」「ヴァンパイアセイバー」も同罪ですが、この頃のゲーセンの主役は確実に「KOF」シリーズでした。私も最もやりこんだゲームを3つ挙げるなら「スト3サード」「鉄拳」の次はこの「KOF」シリーズになります。
97→98で何が起きたか。97は全キャラが壊れ技を持っていて「それさえしていれば」勝てるゲームだったのです。
例えばジョーのハリケーンアッパー連発。ロバートの飛燕旋風脚。これがガードさせるだけで猛威を振るう。ときどというプレーヤーがいますね。この人の名前は「飛んできてキックして、どうした(八神庵の飛び道具・闇払いの時に発する声)」から取ったと言われています。それしかしないから。
これは庵のジャンプ大キックの攻撃判定が異様に強かったために、それだけしていれば勝てた、ということを意味しているんだろうなと想像がつく。
ある意味で「中足で飛ばせてサマーで落とす」の時代がこの作品では復活していたのです。ひとつの方針さえ知っていれば勝てる。
ところが次作のKOF98は全く様相が変わりました。「それさえしていれば勝てる」キャラはいなくなり、全員コンボを何回も決めないと体力が奪えないコンボゲーに代わりました。
しかも入力が非常にシビアに。これで確実にゲーセン人口が減ったと思います。私もKOFを98UMが出るまではやらなくなりました。
この頃から「あのゲーセン閉店したってよ」という話を聞くようになった。
コンボゲーの歴史は98から始まったと思います。ゼロ3はオリコンゲーになったしスト3もサードになってから急に小足×2ヒット確認が難しくなり、当初は使っている人が珍しかった。
ジャスティス学園などの技を出せて楽しいゲームもまだありましたが、『あれ、お前もうあのおじさんに乱入しないの?』「いや、あの人もう連続技知ってるから面倒くさい」
連続技知ってる…台に座るまでの過ごし方で勝敗が決まるようになってしまったことを端的に表した印象に残る言葉でした。
予備知識が必要になってしまったのです。この頃からはっきり格ゲーは衰退の一途をたどり、ゲーセン閉店の話も聞くようになりました。
というわけで、格ゲーバブルのピークは1997年、衰退は98年から始まった、というのが私の説です。
その後も、格ゲーをやる覚悟を決めた人を中心に、「月下の剣士」「侍スピリッツ天草降臨」「スト3サード」「ギルティギアイグゼクス青リロ」「バーチャ4エボ」「鉄拳5」などのヒット作品が出て「闘劇」などの国内最大規模の大会を産むに至るのですが、衰退は止まらず。
オンライン対戦は相手がいない地方ゲーセンの住人には最後の砦だったんですが、先日「地球の裏側の人と1フレームの誤差もなく対戦するには光の速さをもってしても無理」という結論が出てしまったために、やや絶望感を味わっています。
格ゲーがもう一度1997年までのようなバブルを取り戻せる日が何とかしてこないでしょうか。
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