鉄拳7FRの稼働に先駆けて、主に2D格闘ゲームを中心に活動しているプロゲーマーの「ときど」さんと、ご存知鉄拳の世界王者「ノビ」さんの対戦が2月20日、千葉県の幕張メッセで行われました。
毎年恒例の最新ゲームのお披露目会の中でのエキシビジョンマッチ。
FRから登場するストリートファイターシリーズの豪鬼が、鉄拳の中でどれだけ違和感なく動けるのか、あるいは豪鬼の登場によってゲーム性に大きな影響があるのか、ときどの動きを見ながらよくイメージできるという趣向になっています。
午前と午後に分かれて5試合あり、その中から「これは」と思ったものを厳選しようと思いましたが、意外なほど接戦になり、どの試合も見所が多く、5試合中4試合しか絞れないことになりました。
https://www.youtube.com/watch?v=t7A5jxYCgRs
その中でもハイライトをいかにまとめました。
前提として知っておくと面白いのは、ときどは2010年の海外大会で鉄拳6の選手として出場し、向こうのチャンプとも対戦するなど鉄拳が素人ではありません。
2Dと3D両方を経験した者として「鉄拳が一番難しい。やれることが多すぎて答えが出ない」という言葉を残しています。
当時はボブ使いでした。
一方のノビは豪鬼との対戦経験はあまりないでしょう。つまりどちらも相手に対して慣れてはないけど、ある程度は試合になるという絶妙なバランスがあり、どちらが勝つか全く予想のつかない好条件で試合は始まります。
開始直後、山ステで距離を取るノビに対し、阿修羅閃空で距離を取るときど
前半は投げと下段を狙わないノビ、ときどはガンガードという時間も多い
中足はキャンセル可、立ちから出せて結構速い。ストシリーズライクにこれを主力にするときど
しかしきちんと中足を当てるための布石のショートアッパーなども随所で打っていく。やはり鉄拳を知っている
波動に繋げると、ガードされても当ててもスキが大きく見える。波動ガードは浮くのでは?
中足竜巻がつながりにくく、おそらく確反があるが、豪鬼を知らないノビは慎重に、手を出さない
中足から竜巻につなげば昇竜まで入り、それなりに減る、1割程度か。この速さの下段でそんなまとまったダメージが来るとはノビも想像がつかないかもしれない
中足から滅殺豪波動は、確認というよりぶっぱ気味に出すときど。かなり密着でないと中足から繋がらないが、ゲージの回転率を重視か
1試合目のハイライト。体力的に危ない場面でときどがセービングを選択。アサルトを受ける
セービング崩れからコンボ、さらに起き攻めから中足竜巻、昇竜、セビキャンダッシュから大Kを決めて逆転!これはスト4だ!
2試合目はノビが3タテ、1−1で迎えた3試合目はノビが豪鬼の中足に慣れ、さばく場面が目立ち始める
こうなった時のときどの動きにも注目。確反(ワンツーか。3rdのTCのような技)を中心に地上戦を立ち回る
それでも劣勢のときど。ジャブから瞬獄殺を決める。これはノビの無知か、それとも確定か
4試合目、波動拳に削りがあることを知らなかったか、ノビがこんな遠距離で死んでいるw
この試合は豪鬼の大足の性能が光る。立ちからはテイル並の速さだが、しゃがみからスト4並の速さ。特にしゃがステの発生はかなり速そうで、これでノビのレイジアタックをかわしつつ迎撃しKO
エキシビジョン最大に盛り上がったのはおそらくここ。起き攻めに技を重ねるノビにときどのリバーサル瞬獄殺で逆転。先行入力がかなり長いのか?ストシリーズのようなシーンだ
互いに2本ずつ取り合った5試合目は、壁際から阿修羅閃空で脱出するなど、豪鬼ならではの動きを見せるときど
しかし最後はゼロ距離アサルトから両パン投げを通してノビが勝利!
<試合を見ての感想>
今回、ノビさんはまだ豪鬼に対して未知の部分も多く、不用意な横移動や無理な二択を極力避け、慎重に立ち回っていたと思います。
未知の相手と戦う時、鉄拳はどう立ち回るのがいいか、こんなところでも学べる思いがしました
途中から慣れ、波動拳は横移動即アサルトで特攻していくなど、さすがのスキルと対応力。
一方の豪鬼は、今回はノビの慎重な試合運びであまり目立ちませんでしたが、各必殺技はどれも非常に隙が多そうに見え、コマンドを入力する手間に見合ってないような気がします。
おそらく中足波動は中足と波動の間にも何か割り込めそうだし、食らっても反撃がありそう
中足から竜巻も確認は無理なのに竜巻はおそらく上段じゃないでしょうか
ときどさんも試合で試しながら、後半はコンボパーツと割り切って、後半は基本技を中心に立ち回っていました。
おなじみの二段蹴り大キックは当たるとリターンも大きい。アホキックなども所持。使いやすい確反も持っています
豪鬼の代名詞とも言える空中斜め波動拳、斬空波動拳はときどさんはほとんど使いませんでした。
2D格闘ではX座標とY座標を同時に制圧する、超強い技になるのですが、3DはX座標があるわけで、そちらに対して無防備になるため、死に技に近くなるのではないかと思います
結果としてはノビーときどは3−2で非常に接戦になりました。初出としては見ている側は大満足の試合内容でした。
稼働当初は絶対使用者増えると思いますが、豪鬼は難しそうだなという印象です。
鉄拳の難しさに2Dのコマンド入力の精度が求められ、コンボゲージにも気をつけないといけない。「職人」キャラになっていきそうです。
そういったものも含めてしっかり試合が成り立っている。かなり調整に気を使われているようです。一時のフィーチャーではなく、今後も定着する鉄拳のメンバーに豪鬼がなったんだ、と感じる内容でした
このブログの名前を冠しているテッケナー「まめちー」も「ノビが手を抜いているようには見えなかった」と感想しています。豪鬼の研究がFRの大きなエンターテインメント要素になるのは間違いなさそうです。
<ノビ・ときど 試合後の感想>
ノビ「いやーこれは勝ったとは言えないでしょう(苦笑)すげー汗かいてますよこっちは。でも普段やってる知り合いとの対戦ではなく、こうやって違う格闘ゲームの人と対戦できるってすごい楽しいですね」
インタビュアー「朝、触っただけの調整で挑んだわけですけど、ときどさん、いかがでしたか」
ときど「相手が強いというのはわかってたんですけど、自分が2Dでやってきたことがこのゲームで活かせるとわかって、めちゃくちゃ楽しかったです」