42歳スト2ゲーマー「ジャイアン」が織りなす小宇宙

無印『ストリートファイターII』の全国大会が2月11日、東京で開かれ、プロゲーマーのマゴやハイタニなど名だたるメンバーが揃う中で42歳の家庭持ちゲーマー「ジャイアン」が見事魂の持ちキャラ「ダルシム」で優勝を果たしました。

「スト2をリアルタイムで経験していない若い現役プロには『負けられない』という気持ちがあった」

と、勝負師の意地を語っています。
決勝はドリンクのレッドブル所属のプロゲーマー「ボンちゃん」ガイルを相手に行われました。

試合の様子を振り返ってみましょう。

まず、スト2のダルシム:ガイルは有名な攻略サイト「ゲームのみの部屋」によると6-4という相性になっている。

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ただ、攻略が進んだ今ではこの数字とは違うものがジャイアンには見えていたのかもしれない。

第1ラウンド

まずガイルはタメキャラなので、その時点でダルシムより間合い調整に自由がない。

開幕はサマーソルトで暴れるか飛び込みから一発を狙うか、それ以外の選択はダルシムの攻撃を受けて後ろに下がってしまうことになる。

後ろにレバーを入れないと必殺技が出ないガイルは、間合い調整で不利、そしてダルシムは鳥かごの間合いが広いので、すぐに画面端、通称「家」の状態が作れる。

開幕、静かに下がるボンちゃん。ダルシムも開幕すぐに手は出してないのでこれで正解なのだが、こうなるとダルシムは少しずつ歩いてリーチの長い技やタメのない飛び道具でガイルを「家」まで押すだけ。

ガイルは飛び道具で対抗するしかないが、後ろに入れては家に到達、しゃがんでためてもダルシムの長い手足に押されて、やはり「家」に到達。

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間合い調節に「ただ立っている」ことが許されるダルシムと後ろに入れないといけないガイル。
静かな開幕というだけでガイルは不利だ

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要所の前跳びを立ち中キックで追い返され、やはり「家」に到達してしまう

ダルシムは対空の立ち中キックが機能する間合いをキープしながらガイルを追い詰める。

しかしボンちゃんも先読みを生かし、ダルシムの技の戻りのわずかな隙をついて前跳びで画面端からの脱出に成功。

しかしここからがジャイアンの真骨頂。

ダルシムというキャラは昇竜拳やサマーソルトキックを持たない代わりに通常技に多くの対空技を持つ。

この使い分けが天才的に上手いため、誰もジャイダルの真似ができない。

この試合では対空の中キックを潰しながら前に進もうとしたボンちゃんに対して、ジャイアンの選択は遠距離立大P。

一見立大Pの隙に蹴りが当たりそうだが、高打点大キックではダルシムの遠大Pのスキに当てられないのだ。

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対空に立中キックではなく遠大Pを選ぶジャイダル。これは見たことない

この展開を想定していなかったら焦るところだが、そこはボンちゃんもさすが、動揺せずソニックブームを縦に攻め立てる。

しかしジャイアンのダルシムは間合いを把握していてガイル有利でも、技を出せると判断した距離で迷いなく立大Pを出し、これがガイルにヒット。ここで立大Pを強く意識してしまったか、無理なジャンプやサマソ暴れを出してしまってダルシムに処理られ、1ラウンド目は終了。

第2ラウンドも、冷静さを取り戻したボンちゃんだが、そうなると静かにガイルは体力を削られ「家」が近づく。

しかしガイルの安易な前跳びに立大Pを合わせた後、一気に攻めようと思ったかドリル頭突きをミスってしまうジャイアン。

ガイルはその着地にすかさずソニックブームを当て前へ。

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ボンちゃんのこの試合最大のチャンス、しかし…

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考えが整理できていなかったか追撃が遅れ、逆に「家」に投げられてしまう。

こうなると。後は限りなく敗色の濃い状況だけが残ってしまう

「家」で固められ、うまくダルシムの立中キックをかいくぐったと思われた前跳びも

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思わず実況も「あ!」と言った場面。立中K対空をずらしたつもりなのに

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立小P対空が間に合う。ガイルが飛んでいる間に対空が2回間に合っている。

ジャイアンの代名詞、立小P対空が間に合ってしまう。これで心が折れたかボンちゃん。最後まで、家から出られずに試合終了。

「お前が飛んだら俺のモノ」というチーム名まで標榜したことのあるジャイアンの見事な対空芸が披露された。

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後光が差して見える、とニコ動で称えられたレジェンドゲーマー「ジャイアン」

今回の大会に関しては以下のようにニュースが出ている

http://s.inside-games.jp/article/2016/02/17/96001.html

記事の中でジャイアンさんは

「トレーニングを積むことで研ぎ澄まされる感覚はスポーツと重なる。
反復練習によって一瞬の状況判断が反射的に出来るようになる」と格闘ゲームのスキルアップについて語っている。

さらに、

「格闘ゲームは、スポーツと勉強が両方合わさっている。エンタテイメントスポーツという意味で、広くもっと楽しめればいい」

と感想していた。

初代スト2のような単純と思われている作品の中にも格闘ゲームが本質的にもつ「宇宙」を感じていたジャイアンの見事な勝利と言える。

ゲームシステムが複雑になっても

ガイルの跳びに立中キックで対抗→それは高打点大キックで破られる→それには遠大Pが機能する

こうした部分的な研究の集合が身を結ぶのは変わりないのではないだろうか

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このブログの著者の1人で鉄拳ではまめちーの弟子。鉄拳歴は1年。昔見たリリ使いの綺麗なお姉さんに憧れてリリ始めました。スト3サードが本業です。月火水の更新が担当ですが、他の曜日に書くこともあります。 2D→3Dの挑戦は非常に厳しいですが、その成長の過程も誰かの参考になったら、とも思ったり。ブログの内容についてはお頼りやコメントも是非ください。